メルボルンの家庭の庭で鶏を飼う 〜バックヤードチキン〜

生活ガイド

烏骨鶏と庭で過ごす、豊かな日々

うちの庭には今、烏骨鶏(うこっけい)という種類の鶏が2羽います。
いわゆる Backyard Chicken です。

子どもたちにとっては、時々卵を産んでくれるフワフワのかわいいペット。
でも私にとっては、鶏は“庭仕事のパートナー”です。

フンは肥料になり、害虫や雑草を食べてくれたり、土を掘り返してコンポストの分解を早めてくれる頼もしい存在。
そして何より、庭に彼女たちがいるだけで、景色も気持ちもふっと豊かになるのです。

この記事では、庭で鶏を飼ってみたいと考えている方に向けて、私の経験をもとに役立つ情報をご紹介します。

鶏を飼おうと思ったきっかけ

「いつか鶏と一緒に暮らしたい」と思ったのは、漫画『天然コケッコー』を読んだのがきっかけだったと思います。漫画のような鶏が身近にいる暮らしに憧れました。

その後、ニュージーランドにある夫の実家で庭で鶏の卵を取ってきて食べる生活を見て、ますますその想いが強くなりました。

初心者にもおすすめ!烏骨鶏の魅力

色とりどりの烏骨鶏

見た目はふわふわで、まるでポメラニアンのような愛らしさ。
抱き心地もよく、おとなしくて人懐っこいので、うちの子どもたちにとっても最高のペットです。

また、烏骨鶏は他の鶏と違い、皮膚の色が黒く、一般的な鶏は指が4本ですが、烏骨鶏は5本あります。まるで恐竜のようで、とてもかっこいいんです。
ちなみに、烏骨鶏は英語で「Silkie」と呼ばれています。

濡れた時にだけ見える烏骨鶏の顔。皮膚は黒いです。

以前は写真のようなISA Brownという卵をたくさん産む種類の鶏も飼っていましたが、彼女たちはとても活発。
窓の外から家の中を覗いてきたり、トランポリンに登ったり、次女の持っている食パンを盗んで逃げたり庭の野菜を食べてしまったり…。
ある時は烏骨鶏の一羽を執拗にいじめたりもして、一時期はその烏骨鶏を隔離するなど大変でした。

ISA Brownは活発でフレンドリーなので楽しい思い出も多いですが、烏骨鶏に比べると色々と対策することが多かったです。
そうゆう点では、烏骨鶏は穏やかで飼いやすいと思います。

飼育スペースはどうする?

「鶏には小さな小屋があれば十分」と思われがちですが、実はとても繊細な生き物です。

夜は止まり木の上で眠りたがるため、そのような環境を整えてあげることが大切です。
また、卵を産むときには、暗くて落ち着ける産卵箱があると安心です。

我が家では、写真のような4羽用の鶏小屋(当時 約$300)を通販で購入し、自分で組み立てました。最初はこうしたセットを使うのが便利だと思います。

4羽用の鶏小屋といっても、鶏を一日中閉じ込めておくわけではありません。
鶏は土をついばんだり、砂浴びをしたりするのが大好きなので、1日数時間は自由に動き回れるように庭に放してあげます。

庭に放せない場合は、小屋の周りをフェンスで囲って、鶏が小屋を自由に出入りできるようにするのもおすすめです。
「chicken run garden」などのキーワードで検索すると、さまざまな面白いアイデアが見つかります。
(※「chicken run」だけで検索すると映画が出てくるので注意!)

庭で放し飼いにする場合は、家のフェンスの高さにも注意が必要です。
我が家の庭は1.8mのフェンスで、ISA Brownや烏骨鶏には十分でしたが、フェンスの近くに乗り越えるための足場になりそうなものを置かないように気をつけています。

また、住宅街でも鶏がキツネに襲われる例もよく聞くので、フェンスの下を掘って侵入されないよう、フェンス下の地面の状況もしっかり確認しておくことをおすすめします。

飼う前に確認!ご近所トラブルを防ぐポイント

私の住む地域では、隣の家でも鶏を飼っているため、バックヤードチキンは意外と一般的です。
雌鶏はほとんど鳴かないので、近所迷惑になることはないでしょう。

ただし、各カウンシルによって飼育可能な羽数や雄鶏の飼育可否が決まっていますので、事前にカウンシルのウェブサイトなどで必ず確認することをお勧めします。
(※うちのカウンシルでは5羽まで、雄鶏は禁止されています。)

鶏の入手方法とおすすめの本やワークショップ

鶏の購入は、Google Mapで「chicken farm」と検索すれば、近くで直接鶏を販売しているファームが見つかります。

書籍では『Raising Chickens For Dummies』が鶏の種類や、小屋の選び方、病気についてなどが書かれているのでとても実用的です。

子どもにはイラストが多くてわかりやすい『The Ultimate Pet Handbook』のChickenの章がおすすめ。

また、カウンシルが開催する「Keeping Backyard Chickens workshop」というワークショップもたまに見かけます。
私は参加したことはないのですが、その地域で鶏を飼うことを間直接学べるため間違いないかと思います。

卵と命の大切さを学ぶ

烏骨鶏は年間にわずか約70個しか卵を産みません。それも小さな卵です。
鶏を飼い始めてから、卵一つ一つがとても貴重に感じられるようになりました。
今では昔の安価なタンパク質というイメージから、「命がけで産んでくれたもの」として感謝して食べるようになりました。

卵は産んだ日を記入して冷蔵庫に

これから鶏を飼いたい人へのアドバイス

鶏が卵を産むのは、ほんの数年間だけです。
そのため、卵を産まなくなった後も最後まで飼い続ける覚悟が必要です。

鶏は約10年ほど生きると言われています。命を預かる以上、一時的な存在ではなく、長く付き合うパートナーとして向き合うことが大切だと思います。

家庭菜園が好きな方、生き物と暮らす喜びをお子さんに伝えたい方、そして心にゆとりを感じる時間を大切にしたい方にとって、鶏との暮らしは毎日に小さな幸せを運んでくれる存在になると思います。

Juri

South East在住のウェブ系フリーランサー。
9歳と13歳の娘のママ。
趣味はマンガと動物。ペットは鶏、オカメインコ、アオジタトカゲと金魚。

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