〜本当にあった「避難」の一日〜
こんにちは。
今日は、私が実際に体験した Catastrophic Day(非常に危険な火災警戒日) と、近隣で発生した山火事についてお話ししたいと思います。
Catastrophic Dayとは?
オーストラリア・ビクトリア州では、山火事の危険度を示す「Fire Danger Rating」があり、以下の5段階に分かれています。
- No Rating
- Moderate
- High
- Extreme
- Catastrophic
この中で Catastrophic は最も危険なレベル。
2022年に新しい予報システムが導入され、Catastrophic Dayの捉え方がまだ浸透しきっていない印象もあります。
初めてこのレベルの警告が出たのは、2024年2月のグランピアンズ地域。その際は実際に大規模な山火事が発生しました。
このレベルの警戒日では、
- 火災が起きると非常に速く広がる
- 消火活動が極めて困難
- 「家を守る」よりも「命を守る」が優先
とされており、事前の行動計画が重要です。
2026年1月9日、初めてのCatastrophic Day
私の住んでいるエリアは「Bushfire Prone Area(山火事のリスクが高い地域)」に指定されています。
その週の金曜日がCatastrophic Dayになるという情報は、水曜日の夜に知りました。
私たちが立てていたBushfire Emergency PlanはCatastrophic Dayにはメルボルンにいる家族のうちへ避難する、ということ。でも木曜の夜の時点で今回はそれが難しいことがわかり、次のプランに移す事を決めました。
夫と話し合い、いざというときのために Grab and Go Bag (非常持ち出し袋)を用意し、火災が近くで発生した場合は近隣の避難所へ向かうという計画を立てました。
当日は、普段通りに家のことを整えながら、Vic Emergencyアプリで情報をチェック。
すると午後1時半頃、突然停電。
その直後、自宅から歩いて5分ほどの場所で火災が発生していることがわかりました。
避難するか、様子を見るか
煙も見えず、匂いもない。
でも地図を見る限り距離はかなり近い。
- 今避難すべきか?
- 子どももいるけど、どこへ行く?
- どのタイミングで動くべき?
事前に決めていたつもりでも、実際の場面では判断がとても難しいと痛感しました。
最終的に計画通り避難所に向かいましたが、現地は広場だけで、建物はすべて閉鎖されていました。
そのタイミングで、Vic Emergencyの警告が 「Too Late to Leave Shelter Now」 に。
「避難所」が使えないという現実
実はこの「避難所」、火災の影響で 安全ではない と判断され、閉鎖されていたことが後でわかりました。
警告には、近くのシェルターとして2か所が示されていました。
ただ、そのどちらも、私たちが最終的に選んだ避難場所ではありませんでした。
警告を確認した時点では、そこへ向かう途中に危険が及ぶ可能性があると感じ、
状況を総合的に考えて、そのルートでの移動は避ける判断をしました。
代わりにSNSで知った、旧刑務所跡地が開放されていた場所へ移動。そこには多くの住民が集まっていて、ようやく少し安心できました。正規に避難所として開放されていた場所ではなく、コミュニティーの好意で開けられていた場所でしたが、精神的に安心できたのはとても助かりました。
この経験から、
「Community Fire Refuges」と「Neighbourhood Safer Places・Place of Last Resort(最後の避難場所)」は違う
ということも学びました。
Community Fire Refuges (CFR)は地域で深刻な火災の脅威がある場合にのみ開かれ、緊急警報に従って通知されます。CFRは、「極端(Extreme)」または「壊滅的(Catastrophic)」な火災危険度の日に開設の準備が整えられています。
Neighbourhood Safer Places、Place of Last Resort は、火が直接来る可能性は低いものの、安全が保証された建物ではなく、必要があればブランケットなどで身体を守る必要があります。
Vic Emergencyアプリを使ってわかったこと
このとき役に立ったのが Vic Emergencyアプリ。
必要になる以前に知っていて助かったことや、今回の経験で学んだこと
- Advice/Watch and Act/Emergency Warning の違い
- Wind Direction Impacted Area
- 情報のUpdateの時間
通知が来てから考えるのではなく、
日頃からどう読むか、どう動くかを決めておくことが非常に大切だと感じました。
避難を通して感じたこと
- 「Leave Early」こそが命を守る最善策
→ 消防活動の妨げにならないよう、街には人がいない方が良い
→ 子供、高齢者、ペットなどがいると、精神的な負担が増えるので、長くいれる安全な場所に早くから移動することが大事
→ backupプランも考えておく - Grab and Go Bag に必要なのは、
→ 約72時間分の水・食料 (水が出なくなる、料理できない)
→ ブランケット(山火事の場合身を守るため100%ウールが勧められている、休息を取るのにあると良い)
→ 情報を得るための機器 (携帯とラジオできれば両方。ネットワークがダメージを受ける可能性大)
→ 電気、充電器 (電気の無い状態になることが予想されるため) - Expect unexpected
- 災害はなくても、水が止まる、電気が止まる、携帯、ラジオ、テレビが使えなくなる状態になる確率が増えるので、それに対応できる準備をしておく
- 道路がブロックされることも予想して、滞在する場所を考える
Fire Fighterは「火を消す」だけじゃない
山火事の後のニュースなどを読むと、「家を守ってくれてありがとう」という言葉をよく耳にします。
今回、ある方のコメントで、
「Fire Fighterは隣の家はもう焼けてしまっているのに、まだ影響の出ていなかった私の家の周りに、防火壁(Fire Break)を作って、家を守ってくれていた」
というのがありました。火を消すだけではなく、できるだけ広がりを避けるために働く。彼らの役割の広さに改めて感謝の気持ちを抱きました。
この経験から伝えたいこと
今回の出来事で強く感じたのは:
- 山火事は「特別なこと」ではない
- 準備は平時にこそするべき
- 不安を減らすには、事前に決めておくこと
完璧な計画でなくても大丈夫。
でも、「何も決めていない状態」だけは避けるべきです。
おわりに
山火事の話は少し怖く感じるかもしれません。
でも、知ること・話すことは、命を守る行動につながります。
この体験談が、
誰かの Emergency Plan を考えるきっかけになれば嬉しいです。
最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
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