お子さんが2歳を過ぎたころから「幼稚園どうしようかな」と幼稚園教育のことについて考え始めますよね。
オーストラリアと日本では少し幼稚園のシステムが違います。
そこで、この記事では、いつから幼稚園に入れることができるか申し込む方法はどうするのかについてお伝えします。
今後、オーストラリアで幼稚園を探す際の参考になれば嬉しいです。
日本豪州の両国で、初等教育に25年以上関わってきている私が、できるだけわかりやすく、まとめてみました。
ビクトリア州の幼稚園プログラムって何
簡単に言うと、“幼稚園プログラムとはビクトリア州政府が補助金を出して認可している幼稚園プログラムのことを意味します。”
認可園には、こんなマークの幕が園の入り口に貼ってあったり、ロゴが表示されてあったりします。
正規の幼稚園規定に準している施設には、ビクトリア州政府が、許可を出して認定しているという印に
なります。
2023年から正式に、4歳児幼稚園プログラムに加え、3歳児幼稚園プログラムも無料化されることになりました。
ビクトリア州では、独立した幼稚園だけの施設(Standalone Kindergartenと呼ばれます)である場合と、保育園(Long Day care centerとかEarly Learning Centreなどとも呼ばれます)保育園の中で幼稚園プログラムを受けることができる園もあります。
大切な子供たちを預かるわけですから、きちんと認可されてビクトリア州の幼稚園プログラムの助成を受けるためには、厳しい法的約款があり規律に沿った経営か審査がおこなわれます。
つまり、このビクトリア州政府公認サインがない場合、たとえそこの保育団体が“幼稚園プログラム”とか、“小学校準備クラス”等と宣伝して大きく唱っていたとしても、そこは単に個人の経営者が行っている、“塾”のようなものであって、日本でいうと無認可であり、通常行われる幼稚園教師から小学校へ年度末に行われる申し送りや、ビクトリア州政府が既定の子供の個人記録などにはアクセス権がないことになりますので、注意しましょう。
2023年度の現状ではたった週に15時間の保育時間
オーストラリアの幼稚園と日本の幼稚園の1番の違いは通園時間です。
例えば、日本の幼稚園の場合は、月曜日から金曜日、時間は8時半から3時半ですが、オーストラリアの幼稚園は2023年現在では、週に15時間です。
日本と比べると保育時間が短いですよね。
ビクトリア州では、4歳児の幼稚園プログラムでは“小学校(Prep)へあがる前の1年間で週に15時間まで補助が出て通うことができます。
また、新たに2022年から正式に州から補助金が下りることになった、3歳児の幼稚園プログラムも、2023年から州政府の発表により完全無料化になりました。
お住まいの自治体に確認してみましょう。このシステムに基づいて幼稚園プログラムは時間割が組まれているのため、どこの園でも、例えば4歳児プログラムであったら、週15時間、多くは、週に3日(1日5時間保育)または、週に2日(1日7時間半保育)しか、幼稚園に行くことがありません。
3歳児プログラムであれば、週に1日(5時間保育)であったり、週に2日(3時間だけや、5時間だけの保育)などになる場合がほとんどです。
日本であったら3歳児であっても毎日通う幼稚園教育とは、全然違いますね。
「たったの2時間やそこら、幼稚園に通わせても、親としては何もできない」という声が聞こえてきそうですが、園に送った後、すぐまたお迎えという保育時間の短さが難点になるかもしれません。
今後、3歳児プログラムも、4歳児同様、2029年には週に15時間まで延長されるという発表は出ています。しかし、絶対的に施設や、大卒資格習得者の教師数が追い付かず、まだまだ実現までには時間がかかると予測されています。
>>幼児教育の改革に多額な投資をして設計を立てているビクトリア州政府は
各言語でその目的を説明しています。日本語にも翻訳されて載っていますよ。
(https://www.vic.gov.au/three-year-old-kindergarten-brochure-japanese)
幼稚園では子供の時間の預かり時間が短いため、仕事をしている保護者の場合は「保育園」を選択することが多くなります。
2023年から4歳児に加え3歳児幼稚園も無料化ービクトリア州90億ドルの大改革
実はこの記事を用意している間に、ビクトリア州政府とニューサウスウェールズ州が共同で、大掛かりな幼児教育の改革を向こう10年にかけて行うという、声明を出しました。その声明について詳しくは、こちらの記事に書いていますので、興味のある方は
御覧ください。
政府が表明したこの大規模改革は、かつて前例を見ない大掛かりなものです。
今後10年にわたって、幼児教育が、小学校を始める前の2年間を使って、どのような形で
行われるのか、具体例は出ていません。
この政府の改革が、ビクトリア州教育省も驚くほど、急速に施行、実現となったため、
幼稚園プログラムを運営する、各自治体の現場では大混乱になりました。
2023年の幼稚園プログラム開始
毎年、夏休み後の2月に始まる幼稚園プログラム。
”無料化”されたと知り、もちろん3歳児の園児数も増えました。
しかし、先に述べた通り、すべての3歳児4歳児をうけいれるだけの施設と、教育者が絶対的に不足しているので、各自治体は、今までにない試みで、クラス編成をおこなわずにいられない状況となりました。
例えば、週に15時間通う4歳児のクラスの中に、3歳児が5時間だけ、3時間だけなど、部分的に通う異年齢混合クラス。日本の保育園などでは、縦割り保育などと呼ばれて、珍しいことではないものの、3歳になりたての子供と、小学校へ上がってもおかしくないレベルの発達を見せる5歳児と、同じ内容の学びをするのには、大きなギャップがあって、教師の腕前が試されます。
あくまでも、居住区の自治体ごとに保育時間や、曜日、クラス数などがかなり違いますので、ウェブサイト等からお問い合わせすることをおすすめします。