【開催レポート】メルファミ トークラウンジ vol.3

メルファミからのお知らせ

「離婚を考えている方へ」(2025年11月7日 開催)

11月7日の夜に開催したメルファミ トークラウンジ vol.3「離婚を考えている方へ」の報告レポートです。
「参加したかったけれど都合が合わなかった」という方のために、当日の様子を少しでもお届けできればと思います。

トークラウンジとは?

メルファミが定期的に開催しているオンライン座談会で、メルボルンで暮らす家族に関心のあるテーマを取り上げ、情報交換やおしゃべりができる気軽な場です。

これまでにも
– 子どものバイリンガル教育
– 仕事と子育てのバランス
など、家庭や子どもの成長にまつわる話題を扱ってきました。

今回のテーマは、これまでより少し踏み込んだ 「離婚」。
孤独になりやすい悩みを抱える方が「自分だけではない」と感じられ、つながりや情報交換ができる場になるよう企画しました。

ゲストスピーカー

今回は、離婚経験をもとに情報発信されている「離婚カフェブログ」のrikon-cafe-in-melbourneさんをゲストにお迎えしました。

オーストラリアでの離婚体験や当時の思い、現在の活動についてお話しいただき、その後は事前に寄せられた質問に答えていただきました。

※質問内容は個人が特定されないよう一部調整しています。
※回答はあくまでも「一経験者としての意見」であり、法的アドバイスではありません。専門的な判断が必要な場合は、必ず弁護士やカウンセラーなどの専門家にご相談ください。

① パートナーのDVが疑われるとき、どこに相談すれば良い?

DV(Domestic Violence)は身体的な暴力に限らず、日常生活の中で相手の尊厳や自由を奪うような行為が含まれる場合があると紹介されていました。

例として、次のようなケースが挙げられました。

– 暴言・人格否定(侮辱的な言葉、怒鳴られるなど)
– 過度な監視やコントロール
– 経済的な制限(生活費の制限、カードを持たせないなど)
– 自由の制限(宗教や文化活動、交友関係の制限など)
– 望まない性的行為の強要

こうした状況にあることに本人が気づきにくい場合も多く、「まず気づくことが大切」という点が共有されました。

メルボルンで相談先として紹介された機関には次のようなものがあります。

The Orange Door(日本語サイト)
家庭内暴力に関する援助・支援、子どもの心身の健康や発育についての無料の公的サービス。

1800 Respect
全国24時間ホットライン。匿名で相談でき、家庭内のトラブルやDVに関するサポートを提供。

Safe Steps
全国24時間ホットライン。緊急避難や一時保護、ケース管理を行う団体。

Berry Street
家族・子どもの支援団体。

また、GP(一般医)を通じてカウンセリングへの紹介を受けることもできます。

<参考情報>
・AIHW(オーストラリア保健福祉研究所)
 Family, domestic and sexual violence(家族、家庭内、性的暴力)

② 別居や離婚後、予算が少ないときの住まい探しは?

メルボルンは空室率が低く、シングルペアレントが家を借りるのは大変だと言われています。
そのため、「(安全な場合は)できる限り今の家に住み続ける」という選択肢を検討する方もいるそうです。

また、別居を決めた場合は、まず Centrelinkに相談してみるという方法が紹介されました。
状況に応じて、次のような支援窓口を案内されることがあるようです。

– Child Support(養育費)
– Social Worker(ソーシャルワーカー)
– Social Housing(公営住宅 ※条件あり)

Centrelink では親権の割合などを尋ねられることもあるため、事前に話し合っておくと進めやすいようです。

また、不動産屋にシングルペアレントであることを伝えたことで、親身になってサポートしてくれたという声もあるとの紹介がありました。

③ 働いていないけど財産分与でもらえるのか不安

体験談では、「家事や育児といった家庭内での貢献(非金銭的な貢献)についても、話し合いの中で評価されることがあると聞いた」とのことでした。
家庭を支える役割があったからこそ、もう一方が外で働いて収入を得ることができたと見なされる場合もあるそうです。

また、意外だった点として次のような内容が挙げられていました。

– ローンや借金も話し合いの対象になることがある
– Superannuation(年金)も話題に出ることがある
– 収入状況や子どもの生活環境によって、話し合いの進み方が変わることがある

こうした点は家庭ごとに大きく異なり、制度や手続きも複雑に感じられる場合があります。
話し合いが難しいと感じたときには、Legal Aidなどの相談窓口を通じて専門家につないでもらうことで負担が軽くなると紹介されていました。

※詳細は個別の事情により異なるため、必要に応じて専門家への相談をおすすめします。

④ 子どもを日本に連れて帰りたい

オーストラリアはハーグ条約加盟国として知られています。

そのため、片方の親の同意がないまま子どもを国外へ連れ出すと、トラブルにつながる場合があるため注意が必要と紹介されていました。

旅行などで一時帰国する場合は、Parenting Plan(養育計画) に旅行の条件や同意を明記しておくケースが多いとされています。

<参考情報>
・外務省
 ハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)

※具体的な扱いや手続きは状況により異なるため、必要に応じて専門家への相談をご検討ください。

当日話題に上がったその他のポイント

– 無利子で利用できる「小口ローン(Micro Loan)」の存在
– 仕事探し・家探しの大変さ
– 弁護士やカウンセラーは相性が大切
– ソーシャルワーカーのサポートが役立ったという声

経験者ならではの視点で、具体的でリアルな体験をお話しいただきました。

最後に

離婚に関わる悩みや手続き、生活面の不安は、一人で抱えるにはとても大きなテーマです。
一人で抱えるには大きいテーマだからこそ、今回のように「話を聞ける場所」が必要だと改めて感じました。

メルファミでは、引き続き必要な情報を集め、役に立つ場を提供していきたいと考えています。

次回は夜の参加が難しかった方向けに、今回の内容を共有する会を下の日程でオンラインで開催します。

2025年12月15日(月)
時間:12:00~13:00

また、情報の訂正や追加にご協力いただける方も歓迎しています。
お気軽にご連絡ください。

※本トークラウンジで共有された情報は、あくまでも「一経験者としての意見」や一般的な情報であり、法的アドバイスではありません。
個別の事案に関する専門的な判断や手続きを行う必要がある場合は、必ず弁護士やカウンセラー、ソーシャルワーカーなどの専門家にご相談ください。
メルファミ!はこの情報に基づく一切の決定・行動について責任を負いません。

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