こんにちわ、助産婦のチエコです♪
前回の誘発分娩の準備のお話し。
なんだかちょっと怖い感じで終わってしまいましたが、大丈夫でしたか?
誘発分娩当日について
今日は誘発分娩当日のお話しです。
内診だけで帰宅した人も、バルーンやCervidilを使った人も、何事もなく翌日を迎えられれば、いよいよ入院し誘発分娩が始まります。
まずは、分娩を誘発するためのホルモン剤を打つため、また何かあった時にすぐに対応できるよう、ルートを確保します。
そして、再度内診を行い、子宮口の状態や赤ちゃんの頭の位置を確認します。まだ破水していない場合は、内診の際に人工的に破水をさせます。
破水させたらもう後戻りはできません。赤ちゃんを産まなくては、です。
破水後の陣痛とオキシトシン点滴
内診・破水のあと、赤ちゃんが元気かどうか分娩監視装置(CTG)を使って確認します。
自然な破水でも人工的な破水でも、破水すると陣痛が自然に起きてくることがあります。内診所見や誘発の原因などにもよりますが、医師によってはこの自然な陣痛を待ってくれる場合があります。私の友人の2人目の出産の時もそうでした。破水させて、その後、病院内を散歩したらお産が進み、出産につながりました。
破水のあと、分娩を誘発するためにオキシトシンと呼ばれるホルモン剤の点滴が始まります。このオキシトシンは、ラブホルモンと呼ばれているのをご存じですか?
愛情を感じると分泌されるこのホルモン、自然に始まる陣痛もこのホルモンが働いています。また母乳にも重要な役割を果たしています。
点滴の中に入っているオキシトシンは、残念ながら愛は入っていないでしょうね。。。ですが、人工的に子宮の収縮を促してくれます。
点滴は少量から開始し、10分間に4回ほどしっかり痛みがつくまで増量していきます。
薬を使っているので、点滴による誘発の場合、赤ちゃんが治療に耐えているか、陣痛が強すぎていないかを常にCTGで確認をしていきます。
行動の制限、痛みの緩和方法
ここで気づきますか?
CTGが常にお腹に付いてる。おなかの張りをみる機械、赤ちゃんの心拍をみる機械、お母さんの脈拍をみる機械の3本のケーブルがベッドサイドの機械につながっています。そしてホルモン剤の点滴。
ということは、自然分娩とは違い、自分の自由に動き回ることが難しい、ということです。
ですが、ケーブルや点滴のラインが許す範囲で、ぜひ動きまわってもらいたいです!そうすることで痛みが和らぎますし、お産も進みます!
どんな方法で出産するにせよ、出産には痛みが伴います。
お腹を壊している時や生理痛の時、どうしますか?痛いところをさすったり、楽な体勢を探してゴロゴロしたりしませんか?
お産も同じです。
お産の痛みには身体の体勢を変えたり、さすったりがとっても有効です!ベッドサイドでスクワット、なんておススメですよ。骨盤が開き、赤ちゃんが下がってきます!
ちなみに、この『痛み』。
これが曲者です。
自然分娩と誘発分娩の痛みの違い
自然なお産の場合は身体がゆっくりと出産に向けて整っていくし、問題なければCTGもなく、自分の家でゆっくり痛みを逃せます。
自分の身体がホルモンを出しているので、陣痛が強くなりすぎる、ということは稀です。また脳内モルヒネとも呼ばれるエンドルフィンというホルモンが分泌され、痛みを緩和してくれます。
ですが、誘発分娩の場合、見慣れぬ冷たい病室で、CTGにつながれ、自分の思うように動けない状態で、いやおうなしに人工ホルモンが点滴を通して身体の中に入ってきます。
負の感情はアドレナリンを分泌させます。そしてアドレナリンがオキシトシンやエンドルフィンの分泌を邪魔するため、お産の進行を妨げたり、痛みをさらに強く感じさせたりします。
このように、誘発分娩の場合は痛みが尋常でないと感じることが多いです。
このため、誘発分娩をする人の多くが硬膜外麻酔(Epidural)を使って出産をします。
出産までに要する時間は人それぞれ。長いか短いか、一概には言えません。
長くなりましたが、ここまでが、分娩誘発の概要です。
医療行為なので、利点もあれば欠点もある。
また知らないことで、不安もあると思います。
誘発するかどうかの話しが医師や助産師から出た場合、しっかり話しを聞いたうえで誘発に臨めるといいですね。
話しをして、誘発をするかしないかを決めるのはあなた自身です。
最後に出てきたEpiduralを含め、痛み止めの話しはまた別の記事でお話ししたいと思います。