誘発分娩

医療

みなさん、こんにちは。

ご無沙汰しています。助産婦のチエコです♪今年は定期的に記事をあげていこうと思っています。今年もよろしくお願いします♡

さて、私の周りで赤ちゃんが生まれたり、もうすぐ赤ちゃんが生まれたりしています。

その共通点が『誘発分娩』。

誘発分娩

誘発分娩と聞くと、どんなイメージですか?

もう産んだ友人は、あんなに辛いなんて事前に誰も教えてくれなかった。知りたかった、と言います。

誘発分娩とは、その名の通り、陣痛を誘発します。なので、自然な陣痛は来ていない状態で医療的に陣痛を起こしていきます。英語ではInduction of Labourといい、動詞ではTo induce/To be inducedです。

これとよく似た医療行為に、陣痛促進があります。英語ではAugmentationです。これはすでに自然に陣痛が始まっているものの、その力が弱く、薬の力を使って陣痛を強めることを言います。

誘発分娩の方法は日本とオーストラリアで似てはいますが、異なります。また、どちらの国も出産病院やかかりつけの医師によって異なります。

病院での実際の流れ

今回は私が働いている病院での話です。

誘発分娩になる原因にはいろいろありますが、よくある原因としては、

  • 予定日超過(予定日は妊娠40週0日です。41週を超えると誘発することが多いです。)
  • 妊娠糖尿病や妊娠性高血圧症などの疾患を患っている
  • 胎盤の機能が十分でなく赤ちゃんの育ちが悪い
  • 破水したけど陣痛が始まらない
  • 妊婦さんによる希望

などです。

誘発の日程が決まると、その直前に内診をして子宮口の様子や赤ちゃんの頭の下がり具合から妊婦さんの身体が出産に向けてどれくらい整っているかを確認します。

もし出産に向けての準備が整っているとなれば、誘発分娩の当日に入院することになります。

まだ子宮口が開いていない、硬い、赤ちゃんの頭も高い、などの場合は、誘発分娩の前日に入院し、出産に向けての準備をします。

誘発分娩の準備方法:バルーンとCervidilの違い

その準備には、バルーンによる方法とCervidilと呼ばれるホルモン剤がついた薄い布状の薬を使う方法があります。

バルーンによる方法は、先端に小さい水風船が付いたカテーテルを子宮口に挿入し、子宮頚管を押し広げる方法です。赤ちゃんが生まれるには、3㎝ほどある子宮頚管が紙のようにペラペラになり、子宮口が10㎝開かなくてはいけません。子宮口が開いてくるとこのバルーンは自然に抜け落ちてきます。バルーンが入っている間、普段通りに生活できます。

薬を使うわけではないので、妊婦さんが希望すればバルーンを入れたまま一旦家に帰り、翌日入院してくることも可能です。

子宮口を刺激するので、その影響でおなかが張ることもあります。そのまま自然に陣痛がついてくる可能性も無くはありません。

Cervidilによる方法は、ホルモン剤を使っているので、挿入後はそのまま入院することになります。12時間ほどで除去し、誘発分娩に進んでいきます。

こちらはホルモンの働きにより子宮口を柔らかくし、出産に向けての身体の準備を整えます。

Cervidil挿入後、何事もなく一晩を過ごす妊婦さんもいますが、痛みを伴うおなかの張りを感じる人も多いです。たいていの場合、医師が少し強めの痛み止めの内服薬を処方しているので、必要であればそれを内服します。臨床で働いていると2人に1人は痛みを経験しいるように思います。

痛みが強すぎる、破水する、赤ちゃんの様子がおかしいなどの変化がみられる場合には、分娩監視装置(CTG)で赤ちゃんの様子を確認し、Cervidilを早めに取り出します。ですが、身体に吸収された薬は取り除けません。薬の影響による急な強い痛みで赤ちゃんが苦しむ、ということもしばしばあります。

医療行為、薬品にはかならず副作用が伴いますからね。

長くなったので、今回は分娩誘発の準備までにします。

次回は分娩誘発当日のお話しをしますね。

それでは、また♡

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